ブルーグリーンデプロイメントは、システムの更新や新機能のリリース時に、旧バージョン(ブルー環境)と新バージョン(グリーン環境)の両方を並行して稼働させ、適切なタイミングで切り替える手法です。これにより、ダウンタイムを最小限に抑え、ユーザー体験を維持しながら安全にリリースを行うことができます。
特徴
- 二つの環境の並行稼働: ブルー環境(旧バージョン)とグリーン環境(新バージョン)を同時に稼働させます。
- トラフィックの切り替え: 新バージョンが問題なく動作することを確認した後、トラフィックをブルー環境からグリーン環境に切り替えます。
- ロールバックの容易さ: 新バージョンに問題が発生した場合、トラフィックをブルー環境に戻すだけで元の状態に復旧できます。
事例
例えば、AWSのRDSを使用したブルーグリーンデプロイメントでは、以下の手順が一般的です:
- ブルー環境とグリーン環境の準備: 現行の本番環境(ブルー環境)と新バージョンをデプロイする環境(グリーン環境)を用意します。
- グリーン環境でのテスト: 新バージョンをグリーン環境にデプロイし、テストを実施します。
- トラフィックの切り替え: 問題がなければ、トラフィックを徐々にブルー環境からグリーン環境に切り替えます。
- ロールバック: 問題が発生した場合、ブルー環境に素早くロールバックします。
メリット
- ダウンタイムの最小化: システムの更新時にダウンタイムが発生しないため、ユーザー体験を維持できます。
- 迅速なロールバック: 新バージョンに問題が発生した場合、トラフィックをブルー環境に戻すだけで元の状態に復旧できます。
- 本番環境と同じ条件でテスト: グリーン環境はブルー環境と同じ構成なので、本番同等の環境で動作確認ができます。
- A/Bテストの実施: ブルーとグリーンの両方を一部のユーザーに振り分け、比較テストを行うことも可能です。
デメリット
- コストの増加: 一時的に二つの環境を同時に維持するため、リソースコストが増加します。
- 設定・運用の複雑さ: トラフィックの切り替えやデータの一貫性を保つための仕組みが必要です。
- データベースの切り替えの難しさ: データベースのスキーマ変更がある場合、両バージョンで互換性を持たせる工夫が必要です。