IT用語セキュリティ

BOF攻撃 / Buffer Overflow Attack

BOF攻撃(バッファオーバーフロー攻撃)とは、プログラムのバグを利用してメモリ領域を溢れさせ、悪意のあるコードを実行する攻撃手法です。以下に詳細と具体例を交えて説明します。

BOF攻撃の仕組み

バッファオーバーフロー攻撃は、プログラムがデータを一時的に格納するメモリ領域(バッファ)に対して、許容量を超えるデータを送り込むことで発生します。これにより、メモリ内の他のデータが上書きされ、プログラムの動作が予期せぬ形で変更されます。

BOF攻撃の種類

  1. スタックBOF:
    • 説明: スタック領域に対して行われる攻撃。関数の戻り先アドレスを上書きし、悪意のあるコードを実行させる。
    • 事例: プログラムが関数を呼び出す際に、スタックに確保された変数領域に過剰なデータを入力し、戻り先アドレスを悪意のあるアドレスに変更する。
  2. ヒープBOF:
    • 説明: ヒープ領域に対して行われる攻撃。ヒープ領域に許容量を超えたデータを格納し、メモリを破壊する。
    • 事例: プログラムが動的にメモリを確保する際に、ヒープ領域に過剰なデータを入力し、実行中のアプリケーションを強制停止させる。

BOF攻撃の具体例

  1. 官公庁のWebサイト改ざん:
    • 事例: 2000年1月、バッファオーバーフロー攻撃により科学技術庁のWebサイトが改ざんされました。管理権限が乗っ取られ、サイトの内容が変更されました。
  2. Facebookのサービス停止:
    • 事例: 2015年1月、FacebookがDoS攻撃を通じたバッファオーバーフロー攻撃を受け、30分以上サービスを停止する事態となりました。

BOF攻撃の対策

  1. OSやソフトウェアのアップデート:
    • 説明: OSやソフトウェアを常に最新の状態に保ち、脆弱性を修正する。
    • 事例: 定期的なパッチ適用により、バッファオーバーフローの脆弱性を防ぐ。
  2. プログラムコードのチェック:
    • 説明: 開発者がコードをチェックし、バッファオーバーフローを発生させる可能性のある関数の使用を避ける。
    • 事例: C言語のscanf関数など、バッファオーバーフローのリスクが高い関数の使用を控える。

バッファオーバーフロー攻撃は古くからある攻撃手法ですが、現在でも有効なため、適切な対策が重要です。

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