ゼロトラストアーキテクチャ(ZTA)とは、ゼロトラストの原則を具体的に実装するためのフレームワークです。ZTAは、ネットワークの内外を問わず、すべてのアクセスを検証し、最小限の権限を付与することでセキュリティを強化します。
ZTAの具体的な事例
- TIS株式会社の導入事例:
- 背景: COVID-19のパンデミックによりテレワークが急速に普及し、従来の境界型セキュリティでは対応が難しくなったため、ゼロトラスト環境の構築を決定。
- 導入内容:
- クラウドサービスの利用: クラウドへのアクセスを安全に行うため、CASB(Cloud Access Security Broker)を導入。
- エンドポイントセキュリティ: EDR(Endpoint Detection and Response)を導入し、デバイスのセキュリティを強化。
- VDI(Virtual Desktop Infrastructure): 仮想デスクトップ環境を構築し、どこからでも安全にアクセス可能に。
- 結果: セキュリティレベルの向上と、場所を選ばない働き方の実現。
- フォーティネットの事例:
- 背景: 境界型セキュリティモデルが複雑化し、内部ネットワークの信頼性が低下したため、ゼロトラストモデルを採用。
- 導入内容:
- ZTNA(Zero Trust Network Access): ネットワークアクセスを制御し、ユーザーやデバイスの検証を行う。
- ロールベースのアクセス制御: ユーザーの役割に基づいてアクセス権限を付与し、最小限の権限を適用。
- 結果: ネットワーク全体のセキュリティが強化され、内部不正のリスクが低減。
ZTAの主要なコンポーネント
- アイデンティティとアクセス管理(IAM):
- 説明: ユーザーのアイデンティティを管理し、アクセス権限を制御するシステム。
- 事例: 多要素認証(MFA)を導入し、ユーザーの本人確認を強化。
- ネットワークセグメンテーション:
- 説明: ネットワークを小さなセグメントに分割し、各セグメントに対するアクセスを制御。
- 事例: 重要なデータベースへのアクセスを制限し、セグメントごとに異なるセキュリティポリシーを適用。
- 継続的な監視と分析:
- 説明: ネットワークの活動を常に監視し、異常を検知するシステム。
- 事例: SIEM(Security Information and Event Management)を導入し、リアルタイムでセキュリティイベントを分析。
ゼロトラストアーキテクチャは、これらのコンポーネントを組み合わせることで、包括的なセキュリティ対策を実現します。