IT用語セキュリティ

ゼロトラスト / Zero Trust

ゼロトラスト(Zero Trust)とは、すべてのアクセスを信頼しないで、常に検証を行うというセキュリティ対策の考え方です。従来の境界型セキュリティでは、社内ネットワークを信頼し、社外アクセスは「信用できない」として境界を設けていましたが、ゼロトラストでは社内外の区別なく、すべてのアクセスを疑い、認証・認可を行います。

ゼロトラストの具体例

  1. エンドポイントセキュリティ:
    • 説明: ネットワークに接続されているPCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを対象に、マルウェアからの攻撃を検知・防御するセキュリティ対策。
    • 事例:
      • マルウェア対策: 社員のPCにウイルスが侵入しようとした際に、その挙動を検知して即座にブロックする。
      • 振る舞い検知: プログラムの不正な動作・挙動を検知することで、マルウェアかどうかを判断する。
  2. ネットワークセキュリティ:
    • 説明: 不正なアクセスやウイルスなどからネットワークを守るセキュリティ対策。
    • 事例:
      • ファイアウォール: ネットワークの境界にファイアウォールを設置し、外部からの不正アクセスを防止。
      • 侵入検知システム(IDS): ネットワーク内の異常な活動を検知するためのシステム。
  3. クラウドセキュリティ:
    • 説明: クラウド環境で発生するセキュリティリスクに対して施す対策。
    • 事例:
      • データ暗号化: クラウドに保存されるデータを暗号化し、外部からの不正アクセスを防止。
      • アクセス制御: クラウドサービスへのアクセスを厳密に管理し、認可されたユーザーのみがアクセスできるようにする。
  4. 多要素認証:
    • 説明: 「知識情報(パスワードなど)」「所持情報(スマートフォン、トークンなど)」「生体情報(指紋、声紋など)」の3つのうち、2つ以上を組み合わせて本人確認するセキュリティ対策。
    • 事例:
      • 二段階認証: ユーザーがログインする際に、パスワードと追加の認証手段を使用して真正性を確認。
      • 生体認証: 指紋や顔認証を利用して、ユーザーの本人確認を行う。

ゼロトラストセキュリティは、これらの具体例を複合的に実行することで、社内外の境界を超えて堅牢なセキュリティ対策を実現します。

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