AVL木(Adelson-Velsky and Landis木)は、1962年にG.M. Adelson-VelskyとE.M. Landisによって発表されたバランスの取れた二分探索木です。各ノードの左右の部分木の高さの差が最大でも1になるようにバランスを保つことで、効率的な検索、挿入、削除操作を実現します。
事例
例えば、以下のような数列をAVL木に挿入する場合を考えます:
10, 20, 30, 40, 50, 25
- 10, 20, 30を挿入すると、木は右に偏ります。
- 40, 50を挿入すると、さらに右に偏ります。
- 25を挿入すると、バランスが崩れるため、回転操作が必要になります。
この場合、右左回転を行うことで、木のバランスを保ちます。
メリット
- 効率的な操作: AVL木は、検索、挿入、削除の各操作がO(log n)の時間計算量で行えるため、大規模なデータセットでも効率的です。
- バランスの維持: 常にバランスが保たれるため、最悪の場合でも操作の効率が低下しません。
- 信頼性: データベースやメモリ管理などの分野で広く利用されており、その信頼性が証明されています。
デメリット
- 実装の複雑さ: 回転操作を含むため、他の二分探索木(例えば、単純な二分探索木や赤黒木)に比べて実装が複雑です。
- 追加のメモリ使用: 各ノードに高さ情報を保持する必要があるため、追加のメモリが必要です。
- 回転のオーバーヘッド: バランスを保つための回転操作が頻繁に発生する場合、オーバーヘッドが増加する可能性があります。