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デジタル市場法 / DMA / Digital Markets Act

デジタル市場法(DMA)は、欧州連合(EU)が制定した規則で、巨大テック企業の市場支配を抑制し、公正な競争環境を実現することを目的としています。2022年11月1日に発効し、2023年5月から段階的に適用が開始されました。

主なポイント

  • ゲートキーパーの指定: 特定の基準を満たす巨大プラットフォーム事業者を「ゲートキーパー」として指定し、自己優遇や競合排除といった行為を制限します。
  • 規制内容: ゲートキーパーは、データポータビリティの確保、競合サービスの利用制限禁止、自己優遇の禁止などの義務を負います。
  • 影響: 消費者に多様な選択肢を提供し、中小企業が競争に参加できる公平な市場を構築することが期待されています。

この法律は、巨大テック企業が自社のエコシステム内で独自の優位性を持つ状況を変えることで、デジタル市場の健全な発展を目指しています。

DMA違反の例

最近の例として、AppleMetaがデジタル市場法(DMA)に違反したとして、欧州連合(EU)から制裁金を科されました。具体的には、Appleには約810億円(5億ユーロ)、Metaには約320億円(2億ユーロ)の制裁金が課されました。

  • Apple: App Storeでのアプリ配信に関して、外部サイトへのリンクを許可しないなどの「反ステアリング義務」に違反したとされています。
  • Meta: FacebookとInstagramの広告なしサービスのビジネスモデルがDMAに抵触したとされています。

これらの違反に対する制裁金は、DMAが発効して以来初めてのものです。

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