USB PD(USB Power Delivery)は、USB Type-C端子を使用してデバイス間で電力を供給するための規格です。USB PDは、従来のUSB規格に比べて大きな電力を供給できるため、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどのデバイスを急速充電することが可能です。
仕組み
USB PDの仕組みは以下の通りです。
- 電力供給の交渉:
- USB PD対応の充電器とデバイスが接続されると、充電器側の供給能力情報とデバイス側の要求電力情報が自動的に交換されます。これにより、デバイスに最適な電力が供給されます。
- 電力の供給:
- USB PDは、最大240W(48V/5A)の電力を供給することができます。これにより、消費電力の大きいノートパソコンやその他の大型デバイスにも対応できます。
- 安全性の確保:
- USB PDは、過電流保護や過電圧保護などの安全機能を備えており、デバイスや充電器の安全性を確保します。
USB PDの変遷
USB PD(USB Power Delivery)は、USB Type-C端子を使用してデバイス間で電力を供給するための規格です。以下に、USB PDの規格の変遷を示します。
- USB PD 1.0(2012年)
- 最大電力供給: 10W(5V/2A)
- 特徴: 初期のUSB PD規格で、主にスマートフォンやタブレットの充電に使用されました。
- USB PD 2.0(2014年)
- 最大電力供給: 100W(20V/5A)
- 特徴: USB Type-Cコネクタの登場により、ノートパソコンなどの高電力デバイスにも対応可能になりました。
- USB PD 3.0(2015年)
- 最大電力供給: 100W(20V/5A)
- 特徴: より効率的な電力供給と新しいプロトコルの追加により、デバイス間の通信が改善されました。
- USB PD 3.1(2021年)
- 最大電力供給: 240W(48V/5A)
- 特徴: USB PD EPR(Extended Power Range)として知られ、さらに高電力のデバイスに対応可能になりました2。
メリットとデメリット
メリット:
- 急速充電が可能
- デバイス間の互換性が高い
- 持ち運びが便利な統一されたコネクタ
デメリット:
- 対応機器やケーブルが必要
- 高出力の充電器は高価
代表的な事例
- スマートフォンの急速充電:
- USB PD対応のスマートフォンは、短時間で充電が完了するため、忙しい日常生活において非常に便利です。
- ノートパソコンの充電:
- USB PD対応のノートパソコンは、従来のACアダプタに比べて軽量で持ち運びが容易な充電器を使用できます。
- モバイルバッテリー:
- USB PD対応のモバイルバッテリーは、複数のデバイスを同時に充電できるため、旅行や外出時に重宝します。