スケールアップ(Scale-Up)は、既存のシステムやサーバーの性能を向上させるために、ハードウェアのリソース(CPU、メモリ、ストレージなど)を増強する方法です。これにより、単一のサーバーやシステムの処理能力を高めることができます。スケールアップは「垂直スケーリング」とも呼ばれます。
実例
- データベースサーバーの性能向上:
- 企業がデータベースサーバーの処理能力を向上させるために、CPUのコア数を増やし、メモリを追加することで、データベースのクエリ処理速度を向上させることができます。
- 仮想マシンのリソース増強:
- クラウドサービスプロバイダーが提供する仮想マシンのリソースを増強することで、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。例えば、Amazon Web Services(AWS)のEC2インスタンスのタイプを「t2.micro」から「t2.large」に変更することが挙げられます。
スケールアウトとの違い
スケールアウト(Scale-Out)は、システムの処理能力を向上させるために、複数のサーバーやシステムを追加して負荷を分散させる方法です。これにより、全体の処理能力を高めることができます。スケールアウトは「水平スケーリング」とも呼ばれます。
スケールアップ:
- 単一のサーバーやシステムの性能を向上させる。
- ハードウェアのリソースを増強する。
- 簡単に実装できるが、物理的な限界がある。
スケールアウト:
- 複数のサーバーやシステムを追加して負荷を分散させる。
- 理論上、無限に近い拡張が可能。
- 複雑な設定や管理が必要だが、可用性が高い。