スケールアウト(Scale-Out)は、システムの処理能力を向上させるために、複数のサーバーやシステムを追加して負荷を分散させる方法です。これにより、全体の処理能力を高めることができます。スケールアウトは「水平スケーリング」とも呼ばれます。
実例
- ウェブサーバーの負荷分散:
- 大規模なウェブサイトでは、複数のウェブサーバーを追加して負荷を分散させることで、アクセスの集中によるサーバーダウンを防ぎます。例えば、AmazonやGoogleなどの大手企業は、スケールアウトを活用して高い可用性を維持しています。
- データベースのシャーディング:
- 大規模なデータベースシステムでは、データを複数のサーバーに分散して保存するシャーディング技術を使用します。これにより、データベースのパフォーマンスを向上させ、スケーラビリティを確保します。
- クラウドコンピューティング:
- クラウドサービスプロバイダーは、ユーザーの需要に応じて仮想マシンを追加し、リソースを動的に割り当てることで、スケールアウトを実現しています。例えば、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureは、スケールアウトを活用して柔軟なリソース管理を提供しています。
スケールアップとの違い
スケールアップ(Scale-Up)は、既存のシステムやサーバーの性能を向上させるために、ハードウェアのリソース(CPU、メモリ、ストレージなど)を増強する方法です。これにより、単一のサーバーやシステムの処理能力を高めることができます。スケールアップは「垂直スケーリング」とも呼ばれます。
スケールアップ:
- 単一のサーバーやシステムの性能を向上させる。
- ハードウェアのリソースを増強する。
- 簡単に実装できるが、物理的な限界がある。
スケールアウト:
- 複数のサーバーやシステムを追加して負荷を分散させる。
- 理論上、無限に近い拡張が可能。
- 複雑な設定や管理が必要だが、可用性が高い。