SL理論（Situational Leadership Theory）とは、リーダーシップのスタイルを部下の成熟度や状況に応じて柔軟に変えることを提唱する理論です。1977年にポール・ハーシーとケネス・ブランチャードによって提唱されました。
SL理論の基本概念
SL理論は、部下の成熟度に応じてリーダーシップスタイルを4つに分類します：
- 教示型（Telling）: 具体的な指示を与えるスタイル。主に新入社員や未経験者に適しています。
- 説得型（Selling）: 指示を与えつつ、部下の理解を深めるために説明や説得を行うスタイル。
- 参加型（Participating）: 部下と協力しながら意思決定を行うスタイル。部下の意見を尊重し、共同で進めます。
- 委任型（Delegating）: 部下に権限を委譲し、自主的に業務を進めさせるスタイル。経験豊富で自己管理ができる部下に適しています。
部下の成熟度
部下の成熟度は、以下の4つのレベルに分類されます：
- 成熟度1（低い）: 新入社員や未経験者。何をすべきか分からず、ミスを恐れる段階。
- 成熟度2（少し高い）: 基本的な業務はこなせるが、まだ学びたい意欲が強い段階。
- 成熟度3（さらに高い）: 自分で業務を進められるが、完全な自信はない段階。
- 成熟度4（高い）: 高い成果を期待できる熟練者。自主的に業務を遂行できる段階。
リーダーの役割
SL理論では、リーダーは「指示的行動」と「援助的行動」の2つの軸で部下に接することが求められます。指示的行動は具体的な業務手順の指示を与えること、援助的行動は部下との信頼関係を築くための行動を指します。
SL理論を活用することで、部下の状況に応じた最適なリーダーシップを発揮し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
