ブルートフォース攻撃(Brute Force Attack)は、パスワードや暗号を解読するために、考えられるすべての組み合わせを試す攻撃手法です。攻撃者は、特定のアカウントにアクセスするために、可能な限り多くのパスワードを試行し、正しいパスワードを見つけ出そうとします。
仕組み
- パスワードリストの準備:攻撃者は、一般的に使用されるパスワードや辞書に載っている単語、過去に流出したパスワードなどを集めたリストを用意します。
- 自動化ツールの使用:攻撃者は、HydraやBurp Suiteなどの自動化ツールを使用して、リストに含まれるパスワードを次々と試行します。
- 大量のログイン試行:自動化ツールを用いて、ターゲットのアカウントに対して大量のログイン試行を行います。
- 不正アクセスの成功:正しいパスワードが見つかると、攻撃者はアカウントに不正にアクセスし、個人情報の窃取やアカウントの乗っ取りを行います。
被害内容
- 個人情報の漏洩:メールアドレス、住所、電話番号、クレジットカード情報などが漏洩する危険性があります。
- アカウントの乗っ取り:攻撃者がアカウントを乗っ取り、スパムメールの送信や不正なコンテンツの投稿を行います。
- 金銭的被害:オンラインバンキングやショッピングサイトで不正送金や不正購入が行われることがあります。
ブルートフォース攻撃の防止策
- 強力なパスワードの使用:推測されにくい強力なパスワードを使用し、定期的に変更します。
- パスワードの使い回しを避ける:異なるサービスごとに異なるパスワードを使用します。
- 多要素認証(MFA)の導入:パスワードに加えて、追加の認証手段を導入することでセキュリティを強化します。
- アカウントロックアウト機能の活用:一定回数以上のログイン失敗が続くとアカウントが一時的にロックされる機能を設定します。
具体的な事例
- ユニクロ・ジーユーオンラインストア:2019年5月、ユニクロ・ジーユーオンラインストアがブルートフォース攻撃の被害に遭い、約46万件のアカウントが個人情報流出の被害を受けました。
- ドコモオンラインストア:2018年8月、ドコモオンラインストアがブルートフォース攻撃の被害に遭い、約1,000件のアカウントが不正アクセスされ、iPhone端末が不正購入されました。
ブルートフォース攻撃は、適切な対策を講じることで防ぐことができます。セキュリティ対策を徹底し、アカウントの安全性を確保しましょう。