セキュリティ

PtH / Pass the Hash

Pass the Hash(PtH)」とは、Windows環境などで使われる認証情報の攻撃手法の一つです。


🔐 Pass the Hashとは?

通常、Windowsなどのシステムでは、ユーザーがログインする際に「パスワード」が「ハッシュ化(暗号化のようなもの)」されて保存されます。ハッシュとは、元のパスワードから計算された固定長の文字列で、元に戻すことはできません。

Pass the Hash攻撃では、攻撃者がこの「ハッシュ値」を盗み出し、それを使って本人になりすましてログインするのです。つまり、パスワードそのものを知らなくても、ハッシュがあればログインできてしまうという怖い手法です。


🧠 どうやって使われるの?

  1. 攻撃者がまず1台のPCに侵入(例:フィッシングメールなど)
  2. そのPCに保存されている「ハッシュ値」を取得
  3. 他のPCやサーバーに対して、そのハッシュを使ってログインを試みる
  4. 権限の高いアカウント(管理者など)にアクセスできれば、社内ネットワーク全体が危険にさらされる可能性も…

🏢 製造業でのリスクは?

白木さんの会社のように、Windowsベースのネットワークを使っている製造業では、以下のようなリスクがあります:

  • 工場の制御システムや設計データへの不正アクセス
  • 社内ファイルサーバーからの情報漏えい
  • 生産ラインの停止など、業務への影響

🛡️ 対策は?

Pass the Hash攻撃を防ぐには、以下のような対策が有効です:

  • 管理者権限の最小化(必要な人だけに限定)
  • Windows Credential Guardの導入(ハッシュの盗難を防ぐ)
  • ネットワーク分離(重要なシステムは別ネットワークに)
  • 多要素認証(MFA)の導入
  • 定期的なパスワード変更と監査

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