CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)は、半導体デバイスの一種で、主にデジタル回路やアナログ回路に広く利用されています。日本語では「相補型金属酸化膜半導体」と呼ばれます。
CMOSの基本構造
CMOSは、nMOSFET(n型MOSFET)とpMOSFET(p型MOSFET)という2種類のトランジスタを組み合わせた回路構造です。この構造により、低消費電力で高速動作が可能となります。
動作原理
CMOSの基本的な動作原理は、nMOSFETとpMOSFETの特性を相補的に利用することにあります。例えば、CMOSインバーター回路では、入力電圧に応じてnMOSFETまたはpMOSFETのどちらか一方がオンになり、もう一方がオフになることで、低消費電力を実現します。
特徴
- 低消費電力:CMOSはスイッチング時にのみ電流が流れるため、静的消費電力が非常に低いです。
- 高速動作:微細化技術により、トランジスタの動作速度が向上し、高速な処理が可能です。
- 高い集積度:微細化が進むことで、より多くのトランジスタを集積することができ、複雑な回路を小型化できます。
主な用途
デジタル回路:パソコンのCPUやメモリ、マイクロプロセッサなどに広く使用されています。
イメージセンサー:デジタルカメラやスマートフォンのカメラに搭載されるイメージセンサーとして利用されています。
アナログ回路:アナログ信号処理にも利用され、オペアンプやフィルタ回路などに使用されます。
実用例
- インバーター:基本的な論理ゲートであるインバーター回路に使用されます。
- イメージセンサー:CMOSイメージセンサーは、低消費電力と高速動作が求められるデジタルカメラやスマートフォンに適しています。
CMOS技術は、現代の電子機器において欠かせない存在であり、その低消費電力と高性能が多くのアプリケーションで活用されています。