CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)は、イーサネット(Ethernet)で使用される通信プロトコルの一つで、データの衝突(コリジョン)を検出し、効率的な通信を実現する仕組みです。以下にその詳細を説明します:
CSMA/CDの仕組み
- キャリア検知(Carrier Sense):
- 通信を開始する前に、通信回線が空いているかを確認します。
- 他のデバイスが通信中でない場合にのみ、データを送信します。
- 多重アクセス(Multiple Access):
- 複数のデバイスが同じ通信回線を共有します。
- 各デバイスは、回線が空いていると判断した場合にデータを送信します。
- 衝突検出(Collision Detection):
- 同時に複数のデバイスがデータを送信すると、データが衝突する可能性があります。
- 衝突が検出されると、デバイスはデータ送信を停止し、ランダムな時間待機してから再送信を試みます。
特徴
- 利点:
- シンプルな仕組みで、初期のイーサネット環境に適していました。
- 衝突が発生しても効率的に再送信を行うことで通信を維持します。
- 欠点:
- 衝突が頻発すると通信効率が低下します。
- 現在の全二重通信(Full-Duplex)環境では、CSMA/CDはほとんど使用されていません。
応用例
- 初期のイーサネットネットワーク(10BASE-Tなど)で広く使用されていました。
- 現在では、スイッチングハブや全二重通信の普及により、CSMA/CDの必要性は減少しています。