IaaS(Infrastructure as a Service、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)は、クラウドコンピューティングの一形態であり、仮想化されたコンピューティングリソース(サーバー、ストレージ、ネットワークなど)をインターネット経由で提供するサービスです。ユーザーは、物理的なハードウェアを購入・管理することなく、必要なリソースをオンデマンドで利用できます。
経緯や歴史
IaaSは、クラウドコンピューティングの進化とともに登場しました。2000年代初頭に、Amazon Web Services(AWS)が最初の商用IaaSサービスであるAmazon EC2を提供し始めたことがきっかけとなり、その後、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platformなどの主要クラウドプロバイダーがIaaSサービスを提供するようになりました。
メリットとデメリット
メリット:
- 初期投資が不要で、コスト効率が高い
- スケーラビリティが高く、必要に応じてリソースを増減できる
- インフラの管理が不要で、運用負担が軽減される
デメリット:
- セキュリティやプライバシーの懸念がある
- インターネット接続に依存するため、接続障害が発生すると影響を受ける
- カスタマイズ性が制限される場合がある
他の類似案件との比較
IaaSに類似するクラウドサービスとして、PaaS(Platform as a Service)やSaaS(Software as a Service)があります。PaaSは、アプリケーション開発環境を提供し、開発者がアプリケーションを構築・デプロイするためのプラットフォームを提供します。SaaSは、ソフトウェアアプリケーションをインターネット経由で提供し、ユーザーがブラウザを通じて利用できるようにします。IaaSは、これらのサービスの基盤となるインフラを提供します。
代表的なシステムやツール
代表的なIaaSプロバイダーには、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)、IBM Cloud、Oracle Cloudなどがあります。これらのプロバイダーは、仮想マシン、ストレージ、ネットワーキング、データベースなどの幅広いインフラサービスを提供しています。