PPP(Point-to-Point Protocol)は、2つの機器間で直接通信を行うための標準的な通信プロトコルです。以下にその仕組みや特徴を詳しく説明します:
PPPの特徴
- 通信の確立:
- PPPは、通信リンクを確立し、維持するためのプロトコルです。
- OSI参照モデルのデータリンク層に属し、ネットワーク層のプロトコル(例: IP)をサポートします。
- 認証機能:
- PAP(Password Authentication Protocol)やCHAP(Challenge Handshake Authentication Protocol)を使用して、通信相手の認証を行います。
- セキュリティを強化するための重要な機能です。
- エラー検出と修正:
- データ転送中のエラーを検出し、必要に応じて修正します。
- 信頼性の高い通信を実現します。
- カプセル化:
- PPPは、データをフレーム単位でカプセル化し、送受信します。
- フレームにはヘッダー情報やエラー検出用のトレーラー情報が含まれます。
PPPの利用例
- ダイヤルアップ接続:
- 電話回線を使用したインターネット接続で広く利用されていました。
- VPN(仮想プライベートネットワーク):
- 安全なリモートアクセスを提供するために使用されます。
- PPPoE(PPP over Ethernet):
- イーサネット上でPPPを利用する技術で、ADSLや光回線などのブロードバンド接続に使用されます。
PPPの構成要素
- LCP(Link Control Protocol):
- 通信リンクの確立、維持、終了を管理します。
- 認証やヘッダー圧縮などの機能を提供。
- NCP(Network Control Protocol):
- ネットワーク層のプロトコル(例: IP)の設定を行います。
- IPアドレスの割り当てやDNS情報の提供をサポート。
PPPは、信頼性、セキュリティ、効率性に優れた通信を実現するための重要なプロトコルです。