EAP(Extensible Authentication Protocol)は、ネットワークアクセスの認証を行うためのフレームワークです。EAPは、さまざまな認証方法(パスワード、デジタル証明書、スマートカードなど)をサポートし、無線LANやVPNなどのネットワークアクセスのセキュリティを強化します。
仕組み
EAPの認証プロセスは以下の通りです。
- 接続要求:
- クライアント(サプリカント)がネットワークに接続を試みると、認証要求が発生します。
- 認証方法の選択:
- 認証サーバ(一般的にはRADIUSサーバ)は、クライアントと認証方法を交渉します。EAPは、複数の認証方法をサポートしているため、適切な方法が選択されます。
- 認証情報の送信:
- クライアントは、選択された認証方法に基づいて認証情報を送信します。例えば、パスワード認証の場合はパスワードが送信され、デジタル証明書認証の場合は証明書が送信されます。
- 認証の確認:
- 認証サーバは、受け取った認証情報を検証し、正当性を確認します。認証が成功すると、クライアントはネットワークにアクセスできるようになります。
- 通信の許可:
- 認証が成功すると、クライアントはネットワークにアクセスできるようになります。認証が完了するまで、その他の通信はブロックされます。
メリットとデメリット
メリット:
- 多様な認証方法をサポート
- セキュリティの強化
- 柔軟な認証フレームワーク
デメリット:
- 導入と運用にコストがかかる
- 設定が複雑で、専門的な知識が必要
他の類似案件との比較
EAPに類似する技術として、PAP(Password Authentication Protocol)やCHAP(Challenge-Handshake Authentication Protocol)があります。これらのプロトコルは、特定の認証方法に限定されており、EAPのような柔軟性はありません。
代表的なシステムやツール
EAPをサポートする代表的なネットワーク機器には、Ciscoのスイッチやアクセスポイント、Arubaの無線LAN機器などがあります。また、認証サーバとしては、FreeRADIUSやMicrosoft NPS(Network Policy Server)などがあります。