減価償却 / Depreciation

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減価償却(げんかしょうきゃく、Depreciation)は、資産の取得費用をその使用期間にわたって費用として配分する会計手法です。主に固定資産(建物、機械、設備、車両など)の価値が時間とともに減少することを反映するために使用されます。

減価償却の目的

  • 資産の実際の価値の反映:資産は時間の経過とともに価値が減少するため、その減少を財務諸表に反映させることが必要です。
  • 費用配分の公平性:資産を使用する期間にわたって費用を公平に配分し、収益と対応させることで、企業の収益性をより正確に評価します。

減価償却の方法

減価償却にはいくつかの計算方法がありますが、以下は代表的なものです。

  1. 定額法(Straight-Line Method)
    資産の取得費用をその耐用年数にわたって均等に配分する方法です。
    • 計算式:減価償却費 = (取得費用 - 残存価値) / 耐用年数
    • 例:取得費用が100万円、耐用年数が5年、残存価値がゼロの場合、年間の減価償却費は 100万円 / 5年 = 20万円 になります。
  2. 定率法(Declining Balance Method)
    資産の帳簿価額に一定の償却率を掛けて減価償却費を計算する方法です。初年度の減価償却費が大きく、年々減少していきます。
    • 計算式:減価償却費 = 帳簿価額 × 償却率
    • 例:帳簿価額が100万円、償却率が20%の場合、初年度の減価償却費は 100万円 × 0.20 = 20万円 になります。次年度は 80万円 × 0.20 = 16万円 となります。
  3. 生産高比例法(Units of Production Method)
    資産の使用量や生産量に基づいて減価償却費を計算する方法です。機械設備などの使用頻度が変動する資産に適しています。
    • 計算式:減価償却費 = (取得費用 - 残存価値) × 当期の使用量 / 総使用可能量
    • 例:取得費用が100万円、残存価値がゼロ、総使用可能量が10万時間、当期の使用量が1万時間の場合、当期の減価償却費は 100万円 × 1万時間 / 10万時間 = 10万円 になります。

減価償却の具体例

以下に、架空の企業「ABC株式会社」の減価償却の具体例を示します。

ABC株式会社の機械設備の減価償却(定額法)

  • 取得費用:1,000,000円
  • 耐用年数:5年
  • 残存価値:0円

各年度の減価償却費の計算:

年度減価償却費(円)
1年目200,000
2年目200,000
3年目200,000
4年目200,000
5年目200,000

このように、定額法を使用すると、毎年均等に200,000円の減価償却費を計上します。

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