SLA(Service Level Agreement、サービスレベルアグリーメント)は、サービス提供者と顧客の間で結ばれる契約で、提供されるサービスの品質や稼働時間、対応速度などの基準を明確に定めたものです。SLAは、特にクラウドサービスやITシステムの運用において重要な役割を果たします。
SLAの主な項目
- 稼働率(Uptime):サービスが正常に稼働している時間の割合を示します。例えば、月間99.9%の稼働率を保証する場合、年間のダウンタイムは約8.76時間となります。
- 応答時間(Response Time):サポートリクエストに対する初期応答の時間を定めます。例えば、「平日9時〜18時の問い合わせには30分以内に応答」といった形です。
- 問題解決時間(Resolution Time):障害が発生した際に解決するまでの時間を定めます。例えば、「システム全体の障害には4時間以内に復旧作業を開始」といった基準があります。
- 補償とペナルティ:サービスが基準を下回った場合の補償内容を定めます。例えば、「稼働率が99.9%を下回った場合、月額料金の10%を返金」といった形です。
SLAのメリット
- 信頼関係の構築:サービス提供者が信頼できるパートナーであることを証明し、顧客との信頼関係を強化します。
- トラブル対応の明確化:障害発生時の対応基準が明確になるため、迅速で効果的な対応が可能です。
- 期待値の整合性:顧客とサービス提供者の双方が合意した基準を明文化することで、期待値を一致させ、トラブル時の混乱を防ぎます。
SLAは、サービスの品質を保証し、顧客満足度を高めるための重要な契約です。具体的なSLAの内容はサービスや業界によって異なりますが、基本的な考え方は共通しています。